その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。 このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。写真 草森紳一

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。 写真 草森紳一

あれこれ

2016年もどうぞよろしく! 全執筆リストのことなど

一ヵ月ぶりの更新です。年をまたいでしまいました。 私だけでなく、仕事のスタッフにも喪中の人が多くて、なんとなく新年のご挨拶が遅くなってしまいました。 みなさま、お変わりないでしょうか。 本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。今年こそは、「草…

必読! 古書対談

母が亡くなり、同郷の車谷長吉さんも亡くなられ、とどめは扇田昭彦氏の急逝。 すっかり落ち込んでしまって、この寂しい心の置き所をどうしようと思っていたとき思い出した。 そうそう、『新潮45』 6月号の対談「知の獣道」。 片山杜秀氏と平山周吉氏による古…

姫路城と、草森蔵書の中の姫路本

2015年4月4日の姫路城。お濠の水面に映る姿が美しいですね。平成の大修理が終わり、グランドオープンした姫路城が人気です。 天守閣への1日の入場整理券1万5千は、4月3日に達成とか。 桜の花の下に並ぶ2時間待ちの人々を見ましたけれど、 富姫様はどこ…

大倉舜二氏が自己を語った冊子です。

これは作家自身による作家論ともいうべき冊子。 2002年10月28日から11月22日まで、リクルートのガーディアン・ガーデンで開催されたタイムトンネルシリーズ第16回「大倉舜二展」で発行されたもの。50ページ余りにわたるご本人の語りの冒頭は…

草森紳一と大倉舜二の仕事です!

草森紳一と大倉舜二の仕事です!と書いて、いやこれは男同士のスゴイ遊びだったんだなと思う。 「草森紳一全執筆リスト」からピックアップしました。リストはなかなか進行できないでいますので、 きっと間違いや落ちがあるにちがいありません。お気づきの方…

大倉舜二さん

大倉舜二さんが亡くなられたとは今も信じられない。 草森さんが1961年、婦人画報社の編集者になった時からの、 売れっ子時代も、貧乏が極まった時にも、胃潰瘍で死にそこなったときにも いつもそばで支えた生涯の友。草森紳一が地上30センチの浮世離れした人…

2015年1月も終わり

昨日の雪もすっかり溶けて、きょうはうららかな土曜日になりました。 皆さま新しい年をいかがお過ごしでしょうか。身辺も落ち着かず、心が痛むニュースばかりで、なかなかブログもFBも書けません。今日は、春の花に気分を変えて。すでにご存じの方もいらっし…

楽しい12月を!

12月が始まっています。 イギリス南部の港町で見つけた貝のリース。ステキでした。草森紳一の本ですが、今年没後13冊目の『その先は永代橋』(幻戯書房)が出て、その他刊行が決まっているものが数冊あるのですが、暗礁に乗り上げているようです。 なんと…

椎根和さんの追悼文と写真

もう2週間前になりますが、椎根和さんのラジオ出演の告知をさせていただきました。 草森紳一の『李賀 垂翅の客』の話は、番組終了間際でしたね。 首を長くして聞いていただいた方には申し訳ないことでした。で、草森さんが亡くなった時の椎根和氏の追悼文を…

草森執筆リスト、只今作成中

遅々とした歩みですが、草森紳一全執筆リストを作成中です。 今年の七回忌に、50〜60年代分だけを早急にまとめ、出席して下さった方にさしあげました。1955年〜1969年までA4サイズで25ページあります。校正が途中ですが下記に11頁目、13頁目をアップしてみま…

柳原前光と娘、白蓮の書について(ツヅキ)

『書画の娯しみ』(18〜20号)の「書画で読み解く人間ドラマ」連載 "柳原前光と柳原白蓮"後半をご紹介します。 この他、『書画の娯しみ』12号で細川忠興と妻ガラシャ、13号で岩倉具視と三条実美、14号、15号で水次郎長と天田愚庵を採り上げています。

柳原前光と娘、白蓮の書について

NHKの朝ドラ、「ごちそうさん」にはまっていたせいか、「花子とアン」はちょっと期待はずれ。 女学校を卒業するまでは楽しく見たけれど、その後、ストーリーの芯が、その都度ぶれるせいか…演出も脚本も迷走中のように思う。ただ収穫は、村岡花子と白蓮との関…

『その先は永代橋』跋文は、滑り込みセーフ!

芸術新聞社のWEBマガジン、平山周吉連載「戦争画リターンズ」第18回に「草森紳一の父・草森義経はアッツ島へ派遣されるはずだった」が掲載されています。戦争絵画がテーマの連載ですが、草森紳一が登場するのは2回目。初登場は、第13回「「死にくたばる」草…

草森紳一の七回忌

前日までの突風や肌寒さがうそのようにうららかな日となった3月15日、七回忌の法要が光圓寺さんで執り行われました。 七回忌とあって、生前本人と、また遺族とも交流のある人に限っての集い。年配の矢崎泰久氏や高橋睦郎氏もお元気で出席され、草森さんの…

草森さんが遺した50余冊のスクラップブック

草森紳一が亡くなった後の整理で50冊余りのスクラップが見つかった。 原稿が活字になったものをていねいに残していた。 新聞発表のものや雑誌のものなど、連載もそうでないものも、きちんと残されていて几帳面だった草森さんらしい。 自身の評価マーク付きで…

立木義浩写真集「舌出し天使」の解説、です!

ちょっと古い話題になってしまいますが、読売新聞「時代の証言者」の欄で写真家の立木義浩さんが9月2日から10月5日迄24回にわたって連載をされていました。 9月12日のその欄は、立木さんの鮮烈デビューとなった写真集「舌出し天使」について。 単行本ではな…

中原淳一の『ジュニアそれいゆ』

前回ご紹介した愛敬さんの文章は『記憶のちぎれ雲』に登場する中原淳一から始まるので、「ジュニアそれいゆ」をご紹介したくなりました。 これは草森さんの蔵書ではなく、私のもの。 本屋さんが「それいゆ」と大判のアメリカの雑誌「SEVENTEEN」を配達してく…

猛暑に、豪雨に、原発汚染水流出に……

殺人的猛暑に殺人的豪雨。 みなさま、今年の夏はどのようにお過ごしでしょうか。 被害に合われていませんように。 いろいろ大変な世の中ですが、お元気でいらっしゃいますように。しばらくPCとは縁のないところにいたのですが、TVは見ることが出来ました。原…

原田憲雄訳注『李賀歌詩編』の草森書評をご紹介!

調べたいことがあって、先日日本中国学会にお尋ねごとをしました。 いただいたご返事の中に、原田憲雄訳注『李賀歌詩編』(平凡社)の草森紳一による書評(『文学界』1999年8月号掲載)のコピーが入っていました。 なんとまあ、ありがたい!原田先生は、草森…

本間クン!の『60年代新宿 アナザ―・ストーリー』

‘蒼海行きの電車に乗って細井さんに会いに行く’という夢を見たので、久々に細井さんにメールを差し上げた。 (細井秀雄氏は元文藝春秋編集者。『本が崩れる』の企画者) 返信メールの文末に、「本間健彦さんの『60年代新宿 アナザー・ストーリー』を読んだら…

いかんせん、いかんせん…草森グッズの数々・・・

草森紳一の遺品のほんの一部です。セレクトして北海道の記念室行きの予定ですが、整理はまだかかりそう。 慶応で中国文学の奥野信太郎教授から麻雀と八卦をやるように言われたとなにかに書かれていましたが、 その筮竹もあれば、捨てなかったたくさんの名刺…

三國連太郎とじんましん

物書きは、とくに草森さんは不摂生だから仕方がないけれど、ひどいじんましんに悩まされていることがよくあった。 顔もボロボロにあかくなって、痛々しかった。 ご本人が言われるには、「三國さんの映画のとき以来」ということだった。70年代の初め、三國さ…

李賀について、その他の原稿は?

草森紳一による李賀と周辺についての原稿一覧がまとまってきましたので、ここにアップしておきます。 間違いや抜けているものなども多々あるかもしれません。お気づきの点があればお教えいただければ幸いです。 (画像をクリックすれば大きくなります) ☆李…

明日は命日です。

早いもので明日は草森紳一の5年目の命日。 2008年3月18日から19日へと日付けが変わるとき、 元気な足取りでコンビニに買い物に行っているのに。「人はすっといなくなるのよ」 いつも言っていた言葉を思い出します。久しぶりに遺族で集まろうと思っていました…

大型の草森グッズを十勝へ + 北海道つながりのことなど。

山口昌男先生のこと しばらくぶりのブログです。みなさん、お変わりないでしょうか。3月10日に文化人類学者の山口昌男先生が亡くなられました。 ご病気ということは知っていたのですが、 昨夜の朝日新聞夕刊で中沢新一氏の追悼文「知の世界 笑って揺らした」…

なつかしいお二人の写真

懐かしい写真を発見しました。 対談嫌いの草森さんにしては心を許した?とても良い表情と思ったら、やはりお相手はばばこういち氏。ばば氏前白に「草森さんとは20年来の雀友である」とあります。 『月刊 黙』の1994年4月号。テーマは「中国人に学べ」(ばば…

矢崎泰久さんを

日曜日のお昼頃、渋谷駅東横線のホームで矢崎泰久氏(元「話の特集」編集長)をお見かけした。 ア、 矢崎さん、と思って振り返り、ご挨拶しようと思ったものの、天気のいい休日とあって人出が多く、あっという間に人混みの中に見失ってしまった。小沢昭一さ…

播磨の国で

写真は、播磨国総社です。お正月にお参りし、2度目、夕方に行った時のものです。 平清盛が、播磨の守に任ぜられるシーンがNHKの大河ドラマ「平清盛」でありました。 父親の忠盛も播磨の国司でしたが、当時豊かなこの地を受領することは公卿に昇進する第一…

額縁の中の四季

このオフィスで迎える29回目の年の瀬です。 人と人との巡り合わせもあれば、場所と人との巡り合わせもありますね。 29年前、駒場東大裏のアパートを出なければならなくなって、 頬がこけるほどに歩きまわり、探しまわり、やっとこの場所にたどり着いたのでし…

勘三郎さんが亡くなった

勘三郎さんというより、私たち70年世代には歌舞伎界の新星、愛嬌と才気にあふれた勘九郎ちゃんと言ったほうがなつかしい。 歌舞伎が大好きだった草森さんは、舌をまくほどといった感じで「勘九郎はとにかく踊りがうまい」とよく言っていた。勘九郎さんと草森…

崩れた本の山の中から 白玉楼中の人