ちょっと古い話題になってしまいますが、読売新聞「時代の証言者」の欄で写真家の立木義浩さんが9月2日から10月5日迄24回にわたって連載をされていました。
9月12日のその欄は、立木さんの鮮烈デビューとなった写真集「舌出し天使」について。
単行本ではなく、1965年の「カメラ毎日」4月号の巻頭56頁分に掲載された写真を写真集と呼ばれています。
ハーフのモデルのナンセンスな日々をドキュメント風に撮ったもので、この作品で立木さんは日本写真批評家協会新人賞を受賞されました。
新聞欄の文末には「〜〜写真家のアイデンティティ(自分らしさ)は本人だけでなく、周辺からの影響を受けて、生まれるのではないか。
周囲の人たちの評価には学ぶところがある。〜〜本質をつかれ、逆上ろうばいしながら、少しずつ前に進む。
写真家は根拠のない自信にも支えられ、勇み足を重ねながら成長していくのではないかと思う」と書かれていますが、
「カメラ毎日」の辣腕編集長・山岸章二氏がこの斬新な写真世界のために組んだチームは、写真構成・和田誠、詩・寺山修司、そして解説が草森紳一でした。
草森さんにとっても写真評論の世界に入る第一歩となった解説を彼のスクラップブックよりご紹介します。