3年前の2018年11月19日にfacebookに投稿した記事が「過去の思い出」として現れたので、ブログに転載します。
写真家・立木義浩氏が発表した「舌出し天使」(1965年・カメラ毎日)に草森紳一が解説を書いて以後、森山大道の「にっぽん劇場写真帖」に”青蠅のような情動”(1968年・カメラ毎日)、篠山紀信には”奇正の軍師”(1968年・季刊写真映像)と、新しく出現する写真家たちを次々に論評していくことになりました。
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(FBの投稿より)
写真家の立木義浩氏の鮮烈デビュー作「舌出し天使」の出版を記念する写真展に行ってきました。
「舌出し天使」は、『カメラ毎日』1965年4月号の巻頭56ページ分を使って発表され、センセーショナルな話題を呼んだ作品。解説が草森紳一ですが、写真を見るのは初めて。
少女の突飛な行動の日々を追跡したドキュメントのような、ドラマのような作品ですが、全く古さを感じさせず、オシャレで今もフレッシュそのもの。
まるでナジャのよう、と思って見ました。会場に、踊りながら飛び跳ねている制服姿の女子高生がいてビックリ。写真に感染したのでしょうか?!
それにしても50年余り、出版されなかったのはなぜなのか。
今回、リブロアルテから出た本は、チャーミングなピンクの表紙。神経が行き届いたすばらしい出来栄えです。
レセプションに伺えなかったので、ピンクの花をお送りしました。
2018年版『舌出し天使』(リブロアルテ刊)草森紳一の解説ページ
・立木義浩写真集『舌出し天使』リブロアルテ・2018年刊 ¥6,050
1965年に「カメラ毎日」に掲載された62点と、未収録のカット24点で構成
(装丁デザイン・加藤勝也)。写真展は、東京都渋谷区神宮前BOOKMARCで2018
年11月17日-11月25日(日)に開催された。
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下の解説ページは、1965年の「カメラ毎日」より。
当時注目を集めていた辣腕編集長・山岸章二氏が、この斬新な写真掲載のために組んだチームは、構成が和田誠、詩が寺山修司、そして解説が草森紳一でした。
立木氏はこの作品で、日本写真批評家協会新人賞を受賞。草森さんにとっても写真評論の世界に入る第一歩となった解説です。彼のスクラップブックよりご紹介。
立木氏についての写真論はもう一作、2007年にカンヅメにされて書いた
立木義浩写真集『ありふれた景色』の解説 ”在庫一掃の旅 足下にご用心。立木の写真の底には、びっくり仰天の地下宮殿がある” を、死去する前年に残しました。