その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。 このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。写真 草森紳一

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。 写真 草森紳一

愛敬浩一著『草森紳一の問い』が出ました! 草森没後の19冊もご紹介!

一昨日の3月19日は、草森紳一の命日でした。

去年、東京の光圓寺さんで十三回忌の法要を行うつもりでしたが、コロナが広がり始めていたため、やむなく延期に致しました。ご高齢にもかかわらず矢崎泰久氏や、高橋睦郎氏ほか、ご友人や、編集者の方々からご出席のご返事をいただいていたのですけれど。 

今年も、皆さんと集うことはできませんでした。とても残念です。

 

でもよいニュースもあります。

昨年の今頃、札幌の美術評論家、柴橋伴夫氏から『雑文の巨人 草森紳一』(未知谷)をお送りいただきました。草森紳一についての、初の評論集です。

 そして今年も、群馬の詩人、愛敬浩一氏から『草森紳一の問い』(書肆山住)をお送りいただきました。草森論が2冊出版されたことになります!

草森紳一の問い』、ですか・・・大昔、草森さんとちょっとしたやりとりがあった時、「学問の意味知ってるの?? 問いを学ぶってことだよ!!」と言われたことを思い出します。

愛敬浩一氏と柴橋伴夫氏ーーまったくタイプの違うお二人ですね。2冊の草森論をぜひ読み比べてください。

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愛敬様からは時折「詩的現代」をお送りいただいていましたが、今回はこんな本も。

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まずは『草森紳一の問い』(本体2400円+税)から、拝読しましょう!

ご購入ご希望の方は、

 ◎詩的現代出版部 〒370-2314群馬県富岡市田篠1280-85にご連絡下さい。   

      info@harumi-inc.com 草森紳一蔵書整理プロジェクトでも受け付けます。

 ◎ちなみに『詩人だってテレビも見るし、映画へも行く』、『愛敬浩一詩集』はとも 

  に土曜美術社出版販売刊 TEL03-5229-0730です。(本体1400円+税)

 

 ●『雑文の巨人 草森紳一』は、去年のブログでご紹介しています。

 『雑文の巨人 草森紳一』(柴橋伴夫著・未知谷刊) 初の草森紳一論集です! - その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

草森紳一の没後刊行本と、その跋、解説について● 

お二人の草森論を読んでいますと、つい他の方は?と思ってしまい、没後に出版された本の跋文を調べてしまいました。没後まもなくの文章からは、ひたひたと悲しみが伝わってきます。また、共著一冊を含み没後出版数が19冊にもなるのも、編集者の方々の熱い思いが伝わってきて感慨深いものがあります。以下もぜひお読みいただければ。

                          2021年3月現在。復刻版に掲載されている草森の跋(ばつ)は省略しています。跋、跋文は                            書物の最後にある文章のことです。 

  1)『夢の展翅』青土社、2008年7月刊

     ―― 跋 川崎賢子

2)『不許可写真』文藝春秋(文春新書)、2008年8月刊

     ―― 跋、解説なし

3)『「穴」を探る 老荘思想から世界を覗く』河出書房新社、2009年2月刊

     ―― 跋、解説なし

4)『中国文化大革命の大宣伝(上)』 芸術新聞社、2009年5月刊

     ―― 跋 草森紳一さんのこと 天野祐吉

 5)『中国文化大革命の大宣伝(下)』芸術新聞社、2009年5月刊

     ―― 跋 墨東有書鬼 椎根和

6)『フランク・ロイド・ライトの呪術空間 有機建築の魔法の謎』フィルムアート 

  社、2009年7月刊

     ―― 追悼文的・跋<ライト・ツアー> 大倉舜二

7)『本の読み方 墓場の書斎に閉じこもる』河出書房新社、2009年8月刊

     ―― 跋、解説なし

 8)『古人に学ぶ 中国名言集』河出書房新社、2010年2月刊

     ―― 跋、解説なし

 9)『文字の大陸 汚穢の都 明治人清国見物録』大修館書店、2010年4月刊

     ―― 編集者ノート 円満字二郎

 10)『勝海舟の真実 剣、誠、書』河出書房新社、2011年6月刊

     ―― 跋、解説なし

 11)『記憶のちぎれ雲 我が半自伝』本の雑誌社、2011年6月刊

     ―― 跋 山口隆

 12)『李賀 垂翅の客』芸術新聞社、2013年4月刊

     ―― 跋 原田憲

 13)『その先は永代橋幻戯書房、2014年5月刊

     ―― 跋 好奇心という病の実況中継 平山周吉

 14)『絶対の宣伝 ナチスプロパガンダ1 宣伝的人間の研究 ゲッベルス

     文遊社、2015年7月刊

     ―― 解説 宣伝が絶対である 片山杜秀

15)『絶対の宣伝 ナチスプロパガンダ2 宣伝的人間の研究 ヒットラー

    文遊社、2015年12月刊

     ―― 解説 色男と制服 池内紀

 16)『絶対の宣伝 ナチスプロパガンダ3 煽動の方法』文遊社、2016年5月刊

     ―― 解説 空虚な自己宣伝としての政治運動 長谷正人

17)『絶対の宣伝 ナチスプロパガンダ4 文化の利用』文遊社、2017年1月

     ―― 解説 文化のデモンストレーション 松岡正剛

 18)『「明日の王」詩と評論』(嵩文彦と共著)未知谷、2018年2月刊

     ―― 跋、解説なし

 19)『随筆 本が崩れる』中公文庫、2018年11月刊

     ―― 解説 六万二千冊の「蔵書にわれ困窮すの滑稽」 平山周吉 

 

 

崩れた本の山の中から 白玉楼中の人