2011-06-01から1ヶ月間の記事一覧
今回は『悪食病誌 底のない舟』(昭文社出版部・1972年)の最初の見開きから。20編が収録されていますが、トップがルイス・キャロル論でP10からP39まで続きます。 不思議な本書の題名について草森さんは、なかなか決まらず悩んでいた時、偶然開いた『西遊記…
まだまだ8月のことですが、お盆をはさんだ8日から20日迄、ゆかりの永代橋にも近い森岡書店で草森さんの遺した写真を見る会のような、こじんまりとした展覧会が開かれます。 元担当編集者の方が森岡さんに、回想集『草森紳一が、いた。』の販売協力をお願…
草森紳一が亡くなってから3年が経ち、11冊の本が出ました。絶版本の復刻をと言って下さる方あり、古本屋でも入手できないという方あり……。電子ブックのようなことはできませんが、シリーズで単行本の見開き1ページ目をご紹介することにしました。 第一回は…
生原稿を編集者に渡すときは、「これでよいか」と心の中で問うてから渡すのよと言われたときのことは、その真剣さとともに忘れられない。批判にさらされても非難を受けても、傷つく人がもしやあったとしても、「これでよい」という一切の覚悟のうえで原稿を…
倉庫で蔵書整理をしていた頃、本の中の古書店の請求書やふしぎな書き込み、いろんな種類の蔵書印をみんなで楽しんだものです。蔵書印は、「しんいち」というものも含めて数種類あったと思いますが、これは特別の特別印。「よしっ!」と思える本の扉にドカン…
『QJクイック・ジャパン』(04年7月号〜07年6月号)に18回にわたって連載され、このサブカル雑誌の中でもひときわ渋い輝きを放っていた「記憶のちぎれ雲」がやっと単行本になります。書店に並ぶのは今月の23、24日ごろとか。 生前の草森さんの希望を生…
左は第45号、右は第49号 草森紳一が急逝した年の暮れに、中島長文氏から『飈風』という雑誌をお送りいただきました。京都を中心に活動する中国文学研究者の同人誌だそうです。表紙の右肩に「草森紳一氏追悼」とあって、一番早い追悼号でした。 『飈風』第45…
2DKの永代橋のマンションに約3万冊。足の踏み場もない、寝る場所すらおぼつかない部屋の中で、これから先を草森さんはどう考えていたのだろう。 草森さんのことを心底心配して知り合いの病院に入院させ、3日で出てしまわれた親友の大倉舜二さんは、「あ…
気がつくと、6月。早いものです。 ちょうど3年前の6月11、12日は、草森紳一が住んだ門前仲町のマンションからとある倉庫へ本たちを引っ越しさせた日です。 5社の引っ越し屋さんに見積もりを依頼したのですが、2社からはお引き受けできませんと言われる始末。…