その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。 このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。写真 草森紳一

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。 写真 草森紳一

荒井健先生による追悼文が『飈風』(ひょうふう)で。続々…と続きます!

      左は第45号、右は第49号

 草森紳一が急逝した年の暮れに、中島長文氏から『飈風』という雑誌をお送りいただきました。京都を中心に活動する中国文学研究者の同人誌だそうです。表紙の右肩に「草森紳一氏追悼」とあって、一番早い追悼号でした。

  『飈風』第45号(2008年12月31日発行)の追悼部分の内容は、
    草森紳一の本:原田憲
   草森紳一『夢の展翅』:荒井健
   草森紳一の李賀論:野原康宏
   竹内好の疑問と官能的な魯迅の姿---中島長文『ふくろうの声 魯迅の近代』:草森紳一

  草森さんは慶應大学の中国文学科卒。卒論は唐の詩人・李賀で、500枚執筆。李賀をライフワークと定めて、1965年から『現代詩手帖』に李長吉伝「垂翅の客」の連載を始めます。この当時からの、李賀のご縁で知り合った先生方が追悼の文章をお書き下さったのでした。

  そして追悼号から2年余りが過ぎて届いた『飈風』第49号(2011年5月31日発行)を見てびっくり。45号で完結しなかった荒井健氏による『夢の展翅』の書評の続きが、巻頭から34頁まで掲載されています。書き出しは、「ふと気がつくと、慶應の教授会に出ている。〜〜」と荒井先生の夢です。
 李賀にご興味のある方もない方も、第45号と第49号をぜひご覧ください!  (回想集『草森紳一が、いた』も宣伝してくださっていて、感謝!です)

  飈風の会 http://www.yo.rim.or.jp/~nohara/biaofeng.html

 なお『夢の展翅』は、没後すぐ、2008年7月に青土社から刊行されました。
 原田憲雄先生による「草森紳一の本」は、著作の一冊一冊の抜き書きにより彼の一生を描こうと試みたもの。回想集『草森紳一が、いた。』にも、愛情あふれる温かな文章をお寄せくださっています。

崩れた本の山の中から 白玉楼中の人