昨年亡くなった井上洋介氏の作品集が、夏に出版されています。編者は、絵本とギャラリーの店トムズボックスを主宰されていた土井章史氏で、版元は玉川大学出版部。
奇怪なタブロー作品260点を掲載した豪華本（13,000円）と絵本画集（2000円）の2種。没後1年ほどで見事な2冊が出版されたことに驚きます。
豪華本の方には、1974年の草森紳一との対談「女の絵だけが女っぽいというのは何だろうね」が転載されています。
草森紳一が、初めて井上洋介氏について書いたのは1961年。以来長いお付き合いとなったようで、装幀や連載の挿絵をお願いしたりしています。
制作中の「草森全執筆リスト」から調べてみました。抜けているものがあれば、お教えいただければ助かります。
お二人一緒の写真もあるのですが、膨大なアルバムから探し出すには時間が必要です、またの機会に。
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草森紳一の井上洋介氏に関する執筆、対談及び共同の仕事リスト
1960年代
・「プレスサービスニュース」1961年5月29日号（№45）井上洋介の文春漫画賞受賞／グロテスクの活力を造型化
・「美術手帖」1964年5月号 書評欄／井上洋介「箱類図鑑」他
・「美術手帖」1964年6月号 漫画家との3 minutes INTERVIEW ／井上洋介
・井上洋介ナンセンス展（1965年3月7日〜31日吉田画廊） パンフレット解説／春を迎えて
・「日本読書新聞」1965年3月29日号 抒情とグロテスク／井上洋介ナンセンス展
・「美術手帖」1965年5月号 展覧会評 井上洋介ナンセンス展／ 幻想のなかの事件
・「美術手帖」1965年7月号 続・グロテスクの仮面（真鍋博と井上洋介）
・井上洋介エロティシズム展（1966年1月11日〜16日梅花亭ギャラリー） 案内状解説
・「美術手帖」1966年3月号 井上洋介エロティシズム展より
・『井上洋介漫画集 ナンセンス展』（構成・和田誠 1966年10月刊 思潮社） 解説／ ナンセンスの練習
・『中国文学名作全集 史記』（1967年3月刊 盛光社） 訳：草森紳一、箱絵：表紙絵：口絵：挿絵：井上洋介
・「話の特集」1968年12月号〜1969年4月号 連載「洗城 唐末の叛乱者 黄巣と皮日休」 イラストレーション：井上洋介（全5回）
1970年代
・「現代詩手帖」1970年1月号 連載「李長吉伝第二部 垂翅の客」 李長吉画像：井上洋介（この号のみ）
・「時代」1971年7月〜11月号 連載「中国の檄文を読む」 題字・画：井上洋介（全5回）
・『日本ナンセンス画志』（1972年2月刊 大和書房） 装幀：井上洋介
・「いけ花龍生」1972年8月号 対談：井上洋介・草森紳一／たんぽぽの牛乳―ブリューゲル、いけばな、芋銭の河童、時計と蛙
・『イラストレーション・ナウ 井上洋介の世界』（1974年4月刊 立風書房） 対談：井上洋介ｖｓ草森紳／「女の絵だけが女っぽいというのは何だろうね」
・「芸術生活」1974年6月号 水の仮宿／井上洋介の墨筆とその狂肆
・「幻想と怪奇」1974年6月、7月、8月、12月号 連載「胡蝶の夢 中華の夢の森へ」 イラスト：井上洋介（全4回）
・「流動」1976年10月号〜77年10月号 連載「争名の賦」 装画：井上洋介（全12回）
・「牧神」1976年6号、1977年8号、10号 連載「唐代鬼唱」 挿絵：井上洋介（全3回）
・井上洋介版画集『乙女風景』（1978年2月刊 村松書館） 解説 版画の「自由」
・『争名の賦』（1978年3月刊 徳間書店） はこ絵：装幀：装画：井上洋介
1980年代
・『井上洋介の絵本水滸伝』（1981年3月刊 講談社） 井上洋介の水滸伝／がに股の英雄たち
1990年代
1980年代、90年代がほとんどないのはどうしてでしょうか・・・
こちらの調査不足かと思われます。
ご容赦ください・・・調べなきゃあ・・・
2000年代
・『荷風の永代橋』（2004年12月 青土社） 装幀装画：井上洋介
・『おじいさんがかぶをうえました 月刊絵本こどものとも50年の歩み』（2005年12月刊 福音館書店） 井上洋介／「洋介さん」の物尽し
・「ユリイカ」2007年1月号〜08年2月号 連載「夢の展翅 李賀の夢の詩」絵：井上洋介（全１2回）
・『夢の展翅』（2008年7月 青土社）挿画装幀：井上洋介
（雑誌の場合は大体、掲載紙、掲載年月、タイトル、サブタイトルの順です。表記は掲載号によりました。
没後の単行本、『「穴」を探る』（2009年2月 河出書房新社）のカバー装画に井上洋介氏の絵を使用しています）
