倉庫で蔵書整理をしていた頃、本の中の古書店の請求書やふしぎな書き込み、いろんな種類の蔵書印をみんなで楽しんだものです。蔵書印は、「しんいち」というものも含めて数種類あったと思いますが、これは特別の特別印。「よしっ!」と思える本の扉にドカンと押してありました。
隷書からデザインされたものか?……和田誠さんらしいしと、お尋ねのお手紙を出してみました。そうしたら、うれしいご返事をいただきました。
「たしかにぼくのデザインです。紳ちゃんから頼まれたのか、ぼくが勝手にデザインしてプレゼントしたのか憶えていません。〜〜隷書とは関係なく草と森をデザイン化したものです。〜〜」
蔵書印に使っていたのはご存じなく、版下を同封するので必要の時お使い下さいとありがたいお言葉が文末にありました。
草森さんはよほど気に入っていたのか、ジャケットのエンブレムや、北海道の書庫の飾りにもこの文字を使っています。