このオフィスで迎える29回目の年の瀬です。
人と人との巡り合わせもあれば、場所と人との巡り合わせもありますね。
29年前、駒場東大裏のアパートを出なければならなくなって、
頬がこけるほどに歩きまわり、探しまわり、やっとこの場所にたどり着いたのでした。
当時は(現在も?)赤ん坊がいると、なかなか貸してくれなかったものです。
最初は3階を自宅兼事務所にし、一時、3階と5階も借り、現在は5階だけです。
このタイニィ・オフィスの宝物は、なんといっても窓が広いこと。
ドアを開けたとたん、目に入る新緑の樹々に、黄金の葉にハッとさせられることが何度もありました。
右は、昨日の写真(下手な写真で申し訳ないですけれど)です。自然はとどまることなく、巡っています。
今年は身近の人たちにもお別れが多くありました。
草森さん関連で言うと、勘三郎さん、小沢昭一さん、
それから回想集にご執筆くださった編集者の青木耕治さんも亡くなられました。
門前仲町の「笑福」で、草森さんと飲んだくれた日々とご自分の人生とを重ね合わせた印象深い原稿だったので、
御子息からの喪中葉書に驚きました。3年前にご病気が分かったということですから、回想文を書いて下さっていた頃でしょうか。
それから個人的には、日大の写真学科を出た後、故郷に帰り、50年近くも姫路城を撮り続けた北村泰生さんのご逝去もショックでした。
(北村さんは、車谷長吉氏の仲の良い従兄でいらっしゃいました)
本当にさびしい……皆様のご冥福を心よりお祈りいたします。
21日は、Living Yellowさんのお誘いで蔵書整理の仲間が集まって西巣鴨で忘年会。
編集者は忙殺されている時期ですが、7人の出席。蔵書整理のご縁からの巡りあわせで結婚したMさんは、
赤ちゃん誕生で来られませんでしたけれど、めでたい話題です。
十勝蔵書整理プロジェクトは、22日が最終活動日だったとか。飛んで行けないのが残念です。
今年もいろいろなことがありました。皆さんお世話になりました。ありがとうございました!
来年は、もっともっと明るい元気な年になりますように!
(いま、27日の夕方ですが、回想集のデザイナー太田徹也さんからお電話を頂き、
やはり回想集にご執筆くださった武蔵美の教授、三嶋典東さんが12月1日に亡くなられたと聞きました。
急逝だったそうです。お電話とFAXで何度も校正をさせていただいたことを思い出します。
70年代に草森さんの『印象』(冬樹社)や清水哲男さんの『ダグウッドの芝刈機』を装丁なさいました。
心よりご冥福をお祈りいたします)