2011-01-01から1年間の記事一覧
草森さんが初めてテレビに登場するのは、1989年5月28日放送の「NHK日曜美術館」です。三木淳さんから頼まれて酒田市にある土門拳記念館の案内役として出演したのでした。 4月28日のブログ(初の女性報道写真家・笹本恒子さんについて)でも書きましたが、…
上の写真は草森紳一撮影。1985年頃、北海道で 2009年5月からWEB連載中だった「目玉の人―草森紳一と写真」が第8回目で終了しました。草森さん撮影による水面や人物の写真、また写真評論を手掛けた60〜70年代の時代背景を語りつつ、草森紳一における「見る…
小野暢子(のんこ)さんからお手紙をいただいた。彼女はマンガ家であり、パフォーマンス・アーティストであり、最近はアルメン・ゴデールの『能楽師』『能の庭』を訳すなどフランス語の翻訳の仕事もなさっているマルチな人。 先月、一年ぶりにお会いした時、…
草森さんの写真展があるので、今回はこの本をご紹介。 「散歩狩り」というタイトルで1985年の1年間『アサヒカメラ』に連載されたものと、書き下ろしの「自転車の肖像」などが収録されています。1987年、朝日新聞社の刊行です。 巻頭に居眠りしている人を盗み…
留守中に森岡書店さんからDMが届いていました! 横長のなかなかカッコイイ案内状に仕上がっています。ありがとうございます!!回想集にご執筆いただいた方、こちらにご注文いただいてご住所のわかる方々に発送したばかりです。 写真家の写真展ではありま…
しばらく留守をして帰ってきたら、この暑さです。 みなさま、お元気でしょうか。 ここは観葉植物がすくすく伸びる日当たりだけは最高の小さなオフィスです。今年は(これからは!)できるだけ冷房を入れないようにと、ロールカーテンを半分下ろし、入口のド…
今回は『悪食病誌 底のない舟』(昭文社出版部・1972年)の最初の見開きから。20編が収録されていますが、トップがルイス・キャロル論でP10からP39まで続きます。 不思議な本書の題名について草森さんは、なかなか決まらず悩んでいた時、偶然開いた『西遊記…
まだまだ8月のことですが、お盆をはさんだ8日から20日迄、ゆかりの永代橋にも近い森岡書店で草森さんの遺した写真を見る会のような、こじんまりとした展覧会が開かれます。 元担当編集者の方が森岡さんに、回想集『草森紳一が、いた。』の販売協力をお願…
草森紳一が亡くなってから3年が経ち、11冊の本が出ました。絶版本の復刻をと言って下さる方あり、古本屋でも入手できないという方あり……。電子ブックのようなことはできませんが、シリーズで単行本の見開き1ページ目をご紹介することにしました。 第一回は…
生原稿を編集者に渡すときは、「これでよいか」と心の中で問うてから渡すのよと言われたときのことは、その真剣さとともに忘れられない。批判にさらされても非難を受けても、傷つく人がもしやあったとしても、「これでよい」という一切の覚悟のうえで原稿を…
倉庫で蔵書整理をしていた頃、本の中の古書店の請求書やふしぎな書き込み、いろんな種類の蔵書印をみんなで楽しんだものです。蔵書印は、「しんいち」というものも含めて数種類あったと思いますが、これは特別の特別印。「よしっ!」と思える本の扉にドカン…
『QJクイック・ジャパン』(04年7月号〜07年6月号)に18回にわたって連載され、このサブカル雑誌の中でもひときわ渋い輝きを放っていた「記憶のちぎれ雲」がやっと単行本になります。書店に並ぶのは今月の23、24日ごろとか。 生前の草森さんの希望を生…
左は第45号、右は第49号 草森紳一が急逝した年の暮れに、中島長文氏から『飈風』という雑誌をお送りいただきました。京都を中心に活動する中国文学研究者の同人誌だそうです。表紙の右肩に「草森紳一氏追悼」とあって、一番早い追悼号でした。 『飈風』第45…
2DKの永代橋のマンションに約3万冊。足の踏み場もない、寝る場所すらおぼつかない部屋の中で、これから先を草森さんはどう考えていたのだろう。 草森さんのことを心底心配して知り合いの病院に入院させ、3日で出てしまわれた親友の大倉舜二さんは、「あ…
気がつくと、6月。早いものです。 ちょうど3年前の6月11、12日は、草森紳一が住んだ門前仲町のマンションからとある倉庫へ本たちを引っ越しさせた日です。 5社の引っ越し屋さんに見積もりを依頼したのですが、2社からはお引き受けできませんと言われる始末。…
先日偶然に、この特集号をとりあげたブログを見つけました。ていねいに草森世界を読み解いてくださっています。 コンタクト先が明示されていないので、筆者の方にお伝えできないままですが、ご紹介させていただきます。 「雷太の奇書探訪」 中:ルソーについ…
政財界人向けの『ニューリーダー』(はあと出版)という冊子があります。草森紳一はこの冊子に1993年から2005年まで12年間にわたって、 「汗血の飛沫――幕末の人と書」を執筆しました。 採りあげた人物は、坂本龍馬、山岡鉄舟、高杉新作、西郷隆盛ら13名。 20…
時折、草森紳一蔵書整理プロジェクトで作成した目録の出版についてお尋ねをいただきます。 7ヵ月かけて入力した膨大なデータはあります。それをせめて冊子にまとめたり、ネット上で検索できるようになればと考えるのですが、校正作業ができないまま帯広大谷…
ある日、ある古本屋さんからお電話をいただき、「日本の古本屋メールマガジン」に『草森紳一が、いた。』について書かせていただきました。 この古本屋さんは偶然、神保町の東京堂で本書を手にとって見られたとのこと。それに草森紳一蔵書整理プロジェクトの…
銀座のgggギャラリーで開かれた佐藤晃一さんのポスター展に行ってきました。オープニングは大盛況。懐かしいデザイナーの勝井三雄先生や、『草森紳一が、いた。』のブックデザインをお願いした太田徹也さん、草森さんとも古くからの知人だった浅葉克己さ…
「ささやかでもよい、回想集をぜひ」と思ってスタートさせた『草森紳一が、いた。』が500ページを越える大著になり、お気に入りのいくつもの書店で置いていただけるようになって、ちょっと信じられない気持ちです。特別に営業活動をしているというわけでもあ…
古いデータをチェックしていたら、こんな写真が出てきました。 目録入力をしていたころに、草森紳一蔵書整理ブログ『崩れた本の山の中から』にアップしようと撮っておいたもの。原稿タイトルは「穴からは抜けられない」と決めて、それっきりになりました。 …
もう何年も昔。夜の地下鉄の中でのお話。シルバー席に座っていた私の前に、地下足袋の土木作業員風のおじさんが座った。60代くらいか、日に焼けた顔に深いしわ。乗客も少なく、まるで私とお見合いのよう。困ったな、とフト思ったとき、コップ酒を持ちなお…
みなさま、充実した連休をお過ごしになりましたでしょうか。ちょうど連休中日に、大丸心斎橋店(北館12F)にある書店から、「『草森紳一が、いた。』を、当店の〈草森棚〉に是非加えてみたい」というメールをいただきました。 この書店は京都のふたば書店…
個性的な古本・新本書店で、『草森紳一が、いた。』を置いていただけることになりました。ご紹介下さった方、ありがとうございます! 京都・左京区にある「ガケ書房」http://www.h7.dion.ne.jp/~gakegake/ 東京・吉祥寺の「百年」http://www.100hyakunen.com…
今日は東日本大震災から四十九日に当たる。亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。 4月11日、東日本大震災の日からちょうど1ヵ月に当たる日だったが、新潮社の寺島哲也さんに誘っていただき吉川英治賞の授賞式に出かけた。文化賞を受賞さ…
『QJ』(クイック・ジャパン)の2004年7月号から約3年間連載された「記憶のちぎれ雲」が、本の雑誌社から出版されることになりました。(左は、第5回掲載号) 登場するのは、真鍋博(イラストレーター)、古山高麗雄(編集長、作家)、田中小実昌(翻訳家…
時は流れ、人も時代も変化していく。 思い出は結晶化し、美化されていく。 当然なことだけれど、しかし、と思う。 昨夜、パルコのことを書いたあとで「昔の夢を見てはいけない」と反省したけれど、企業は人なり、国家も人なり、と思う私は、今なおパルコのD…
昨夜夕刊を開いてビックリ。パルコの平野社長が退任し、新体制では5名の取締役のうち3名が森トラストとイオンからだという。NHKのBisスポでも取り上げていたので、事情通では全くない私は、あらためて時代の変化に驚いてしまった。 セゾングループの解…
季刊『三田文学』の春季号(NO.105)に「“物書き”草森紳一 日本文壇の“鬼才”」と題された随筆が掲載されました。筆者は、慶応大学名誉教授の岡晴夫先生。草森さんと同じ中国文学専攻科卒業で一年後輩にあたります。 奥野信太郎、村松暎両氏が教授でいらした…