その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。 このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。写真 草森紳一

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。 写真 草森紳一

一+二人の先生

   

 銀座のgggギャラリーで開かれた佐藤晃一さんのポスター展に行ってきました。オープニングは大盛況。懐かしいデザイナーの勝井三雄先生や、『草森紳一が、いた。』のブックデザインをお願いした太田徹也さん、草森さんとも古くからの知人だった浅葉克己さんなどにご挨拶することができました。(浅葉克己氏と石川九楊氏は、京都精華大学の文字文明研究所などの仕事でも草森さんとお付き合いがあって、回想集にも「寄稿有」のご返事をいただいていたのですが、とうとう間に合わず、とても残念でした)

 佐藤晃一さんと太田徹也さんは、私がパルコ時代に編集していた『劇場』のデザイナー。
 編集のイロハも知らないままたった一人でプログラムを任され、デザイナーは田中一光先生の一番弟子だった太田徹也氏、元資生堂のデザイナーだった佐藤晃一氏の当時新進気鋭のお二人。今思い出しても冷や汗の出る残業100時間の日々でした。
 独立してからもBUNKAMURAコクーンやTHEATRE1010のプログラムに携わることになるのですが、その原点が『劇場』で、草森さんをのぞくとお二人は私にとって、物創りの師のような存在なのです。太田徹也さんは、草森本の『イラストレーション』(すばる書房・1977年)の装丁も手掛けられています。
 
 展覧会では、佐藤さんらしいすばらしく不思議な色彩の「利休」の映画ポスターや、大野一雄の現代能「無」、音楽座ミュージカルのポスターから、アナログ時代の精密な印刷指定原稿まで展示された佐藤晃一ワールドに浸ることができます。

ギンザ・グラフィック・ギャラリ― 
開館時間は11時―7時(土曜日は6時)、日曜・祝日休館で入場料無料。5月31日迄です。

崩れた本の山の中から 白玉楼中の人