その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。 このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。写真 草森紳一

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。 写真 草森紳一

『記憶のちぎれ雲』、書評が出ました!

 7月24日の「毎日新聞」朝刊に『記憶のちぎれ雲』の書評が出ました! 以下、毎日新聞のサイトからの引用です。

 今週の本棚・新刊:『記憶のちぎれ雲』=草森紳一・著 (本の雑誌社・2940円)

 草森紳一(一九三八−二〇〇八)未刊行の人物論。若き日、一九六〇年代に出会った真鍋博古山高麗雄田中小実昌伊丹十三らの回想。圧巻は「中原淳一葦原邦子」の章。十分な前置きもないまま、白い邸宅の間取りからはじまり、読む人にも書く本人にも、それからの展開がわからないという「展開」。中原淳一が階段から「吹矢」のように飛ばした、妻・邦子へのひとことへ進み、家族の深淵(しんえん)にたどりつく。とはいえこんな無謀、無計画なエッセイを読んだことのある人は少ないだろう。

 一見、筆の流れのままに進む。だがそこには、独自の意識と節理がはたらく。発見と感動の空気がきらめくのだ。その軽やかさ、自在さ、美しさ。日本のエッセイの世界をひろげる、珠玉の文集。(門)


神保町の東京堂書店さんでは目立つ所に置いてくださいました。ありがとうございます!

崩れた本の山の中から 白玉楼中の人