去年から今年にかけて、いろいろせわしなく年末も新年も味わうことなく過ぎました。
皆さまは良い年をお迎えになったことと思います。
2月も過ぎてのお伝えで申し訳ありませんが、北海道新聞から。
デジタルの映像も見られるし新聞記事も合体していて読むことができます。
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帯広在住で任梟盧の管理をやってくださっている佐藤さんのブログ「草の森大冒険」からのご紹介です。
本日の投稿テーマは、マンガ塾。書庫の草森蔵書の中から『50年前の和田誠の似顔絵集』を選ばれたようです。
キャンセルが数人あったとか。今日の帯広は、ものすごく寒かったのではないでしょうか。でも、おもしろそうです。私は遠く離れたところで、しかも久しぶりの捻挫で動けずうなっております。マンガ塾、ファンが増えてくるのでは?
さらなる発展をお祈りしております!
3年前に訪れたときの内部の写真です。
左より)入口。同級生の及川裕さんたち/ 井上洋介の絵が飾られた天井/ 1階のベンチ(前川誠子さんのテキスタイル)とテーブル/ 洗面台の窓枠は緑色
天井から見下ろした中2階/ 中2階の本たち/ 手前に片山健の画集「美しい日々」が。
早いもので、11月14日(日)は任梟盧公開の3回目にあたります。
中心になって活動されている佐藤利男さん他、宗像さん、高山さんにあちらから草森マジックが届いているのでしょうか。見学の方との不思議なご縁もあるようです。
14日の帯広、音更のお天気は曇りですが、昼間の気温は15度前後まで上がりそうとか。コロナの感染状況も心配です。どうぞみなさん、くれぐれもお気をつけて楽しい日々でありますように。
◎見学はコロナ対策のため、1時間3人以内でご案内しています。
公開日:9月から毎月第2日曜日(12~3月は冬眠) 10時~17時 入場無料
ご希望日時があれば、080-5725-2960(佐藤)までご相談ください。
◎佐藤さんのブログ「草の森大冒険」でもレポートされています。公開2回目には、子供たちの参加もあったようで、うれしいですね!
草森マンガ塾の集いもあるようです。ご興味のある方はぜひご参加を!
帯広大谷短大とボランティアの皆さんの息の長い活動にも心から感謝です。
発刊からの活動をていねいにお書き下さっている内田さん、英二さんのことも懐かしく思い出されます。早いものです。それに高山さん、最近参加された廣川さん、吉田先生とデータ作成をしてお送りくださる加藤さん、いつもありがとうございます!
今回の裏面コラムは、嵩文彦氏。草森紳一の同級生で医師、詩人(現在は俳句作家)。
嵩さんの詩について草森が論じた未発表の評論が発見され、その詩と評論を1冊にまとめた『明日の王』(共著・2018・未知谷刊)が話題を呼びました。
嵩さんのコラムはしばらく続くそうで、とても楽しみです。
しかし皆さん、携わった者の義務感? 責任感、使命感? でしょうか。
いやきっとこれは、草森紳一を巡る遊びに違いありません!
大変なこと、いっぱいあると思いますが、これからもどうぞよろしくお願いいたします!!
*通信ご希望の方は、info@harumi-inc.com 草森プロジェクト宛 ご連絡ください。
ご報告が遅くなりました。改修工事のような大掛かりなことは、資金的にも現状では難しいのですが、志のある方々が手弁当で修理を重ねつつ・・・公開が実現しました!
6月に庭木や雑草がきれいに片付けられたときの写真です。
中心になり動いてくださっている佐藤さんたちと近隣の方々との交流も始まり、「書庫の中を見たいなあ」とおっしゃる方も現れたので、ご遺族や関係者の方々に相談のうえ、公開することになりました。
近くに十勝毎日新聞の支局があり、記者の方がいち早く取材にみえたとのこと。ありがたい!
上)大樹に看板。屋外のテーブルと椅子はご寄付によるもの。
下)本に見入る人たち。
書庫内で温かい光を放っている手作りランプも、お貸しくださったものです。
なかなかいい雰囲気ですね。課題はたくさんありますが、なんとかやれることからやってまいりましょう。
アンケートには、
「音更に生まれて46年。子供時代からなんだろうと思って見ていた。見学できてありがとうございます」「修復して、維持して欲しい」「上野彦馬写真集がとてもおもしろかった」「ぜひ入館料を取ってください」「本を見ながらお茶ができるようになれば」等々。ていねいな書き込みが多く、大変参考になります。ありがとうございます。
入場無料ですが、修理や清掃、移動のガソリン代などに思いのほか経費がかかっています。寒くなると暖房も必要になります。
もし、ご寄付いただける方があれば、ご協力いただければ大変ありがたいです。
以下まで、ご連絡いただければ幸いです。恐縮ですが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
◎お問合せ info@harumi-inc.com 草森プロジェクト宛
(十勝毎日新聞 2022年9月13日付)
(北海道新聞 2022年9月17日夕刊)
公開日:毎月第2日曜日(12~3月は冬眠)10時~17時 入場無料
他日対応も可能ですので、ご相談ください。
ご注意:コロナ対策と安全管理上、一度の入場者数は3名、見学は1時間以内とさせて
いただいています。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。
連絡先:080-5725-2960(佐藤)まで。
帯広大谷短大とボランティアの方々の尽力で長く続いている「草森紳一1/230蔵書展」、今回のテーマは“追憶”でした。会場で自由に蔵書を手に取ることができるので、1時間近く気になる本を読んでいく人もいるとか。祝日には60人近い来場者も。
「ホットな交わりの場、時々フラリと訪れており、安らぎの場でもあります。感謝」との声も。地域に根付いていますね。
(北海道新聞 2022年9月19日付)
また今回は、膨大な量の草森写真の中から帯広、音更、十勝に関わりのある写真を選んで、「草森紳一の原風景」と題した写真展も開催されました。
(北海道新聞 2022年8月26日付)
(十勝毎日新聞 2022年8月25日付)
十勝のどこを撮ったものか、場所が不明な写真については、「来場者へのお願い」として、分かることはメモに書いて貼ってくださいと呼びかけていたそうで、メモが何枚も貼られている写真もあったそうです。
短大の吉田先生が、「参加型の展示会も関心を持ってもらうにはいいですね」と言われていますが、主催者と見学者の往復の交流と発見が、長続きの秘訣ですね。
たくさんの写真や新聞記事などをお送りくださった皆さま、ありがとうございました。
(撮影・鈴木龍一郎 1981年)
物書き、草森紳一が亡くなったのが2008年。早いもので来年は没後15年となります。
東京の自宅マンションに残された蔵書約3万冊は、担当編集者と遺族やファンの尽力で、故郷の帯広大谷短大に寄贈されました。
実家の庭に建つ書庫にも貴重な蔵書や遺品があり、長く弟の英二氏が管理されていましたが2019年に亡くなられ、コロナ他でどうすることもできず、任梟盧の今後が懸念されていました。
このたび、草森紳一兄弟、同級生や友人の方(嵩文彦氏や及川裕氏ら)とも交流があった佐藤利男さんたちのご協力を得て、期間未定ですが、公開が可能となりました。
ご興味のある方は、ぜひ、ぜひ、現地においでください!
60年代から気鋭の評論家として注目を集め、マンガ、写真、ファッション、江戸のデザイン、文革、ナチスのプロパガンダ、唐の詩人李賀や、幕末・明治の政治家、書の世界に至るまで、あらゆるジャンルをテーマに執筆。膨大な量の仕事を遺しましたが、それを支えた膨大な量の蔵書も遺しました。(下に貼り付けのチラシをご覧ください)
著名な建築家、山下和正氏に設計を依頼、高さ9メートルの書物の塔が1977年に完成。名前は李賀の詩からとったもので「サイコロ任せ」の意味。草森本人は、生前の取材で「勝手にしやがれ」の意味だとも言っています。
人数と時間を制限の上、9月から毎月第2日曜日に開館予定。
他日にも対応は可能です。入場無料。(冬季12~3月は休館)
お問合せ info@harumi-inc.com ( 草森紳一プロジェクト宛)
お電話 080ー5725ー2960 (佐藤宛)
早々と十勝毎日新聞でご取材いただきました! ありがとうございました!!
2009年寄贈の約3万冊の蔵書を旧東中音更小学校で保管し、その中からテーマ毎に
約2000冊を選んで、大学内「草森紳一記念資料室」で公開されています。データ化
されている蔵書リストは検索可能です。帯広大谷短期大学
リアル「草森紳一記念資料室」の開室日は、サイト内の左側「草森紳一記念資料
室」をクリック→ バナーをクリック→ その下にカレンダーが出ます。
お問合せ:TEL 0155-42-4444 または inform@oojc.ac.jp
副島種臣(そえじまたねおみ)関連の資料2957点が、保管されていますが、
非公開となっています。
創刊は2016年5月31日でした。早いもので6年目を迎えた21号です。
ボランティアの方々の記事にも、年輪を感じてしまいます。
今号のトップに、蔵書展と写真展を開催しますという記事があって、驚きました!
蔵書展は「追憶」がテーマ。いつもながら、どんな本が選ばれるのか興味深いです。
写真展は、初めてです。
昨年暮れに大谷短大にお送りした草森さん撮影の写真群の中から、十勝の町並みのものを選りすぐってとか。楽しみですね。
そこで今回は、「草森通信」21号のご紹介と、草森紳一のこれまでの写真情報を。
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機械が苦手の草森さんが、簡単なコンパクトカメラを購入したのは1981年頃でした。
散歩のついでに、パチパチと写したものが何点になるのか・・・「草森通信」21号によると、東京から届いた写真は10,658点になるとか!
東京に残っているものを500点(数えていませんが)とすると、合計約1万1000点。いえ、1万2000点位にはなるかもしれません。
蔵書と同じで、写真も生き物のように増殖していったのでしょう。
大谷短大にお送りした写真約1万点は、町の写真屋さんでプリントしてもらったL判かKG版の紙焼きです。自転車、水に浮くもの、箒、トルコ紀行などとジャンル分けされてお菓子箱や缶などに整理されていました。
撮ったときにはアルバムに貼り、その後、原稿を書く際に必要なものを焼き増ししたと思われます。
ですから大学にお送りしたものとは別に、段ボール箱28箱分のアルバムが東京に残っているのです・・・
いつごろだったか・・・80年代の半ば頃ではないかと思うのですが、
「玉田が俺の写真、絶賛! 写真展やろう!って言われたけど、俺は写真家じゃあないからね、そんなことできないよ」と言われたことがありました。
玉田顕一郎氏は、元「ロッコール」編集長でニコンの仕事もされ、多くの写真家を世に出した人でした。
草森さんは60年代半ば頃から、彗星のように次々と現れる若き写真家たち(立木義浩、大倉舜二、篠山紀信、森山大道、浅井慎平等々)の未来を予言するかのような評論を「カメラ毎日」などに発表しています。玉田さんが言ってくれたのは、ちょっとうれしいけれど、自分は物書きであって写真家ではないという意識は当然だったでしょう。
もしフトその気になって写真展をやっていたら、どうなっていたでしょうか。
仲の良いカメラマンたちにボコボコにされていたでしょうか。それともますます、崇拝されたでしょうか??
80年代半ば以後、文章と自分の写真をコラボさせた『コンパクトカメラの大冒険』(朝日新聞社・1987)や『随筆「散歩で三歩」コンパクトカメラの新冒険』(話の特集・1992)が出て、散歩と写真と言えば草森さん、と散歩についての取材を受けることも増えたようでした。
筑紫哲也さんの「NEWS23」で、筑紫さんと草森さんが、池のほとりを黙々と歩いているシーンを今、思い出しました。散歩について語りつつ歩くはずが、二人ともただ黙々と。
テレビや対談は苦手な草森さんですが、大著『散歩で三歩』が少しでも売れるようにと決心して出演した結果・・・版元(話の特集)の矢崎泰久さんもハラハラされたことでしょう。一般視聴者はチャンネル切り替えたはず! そんなこともありました。
草森さんが亡くなった2008年、鶴本正三さん(AD、プロデューサー)らが「草森紳一全仕事」の展覧会を企画され、お仲間の写真史の先生が写真を見に来られたことがありました。
「面白いです。草森さんの写真は、写真というものの原点を思い起こさせる」と言われた言葉も印象に残っています。
当時は膨大な蔵書整理の只中でしたし、展覧会は早すぎたのでしょう。残念ながら実現はしませんでしたけれど。
そして翌年の2009年、「蔵書整理プロジェクト」の作業が 〈 目録入力 〉 に入った段階で、中心になっている円満字さんと中森さんが「宣伝しましょう!」と、サイトとブログを立ち上げられたのでした。
年譜に全著作の紹介まで、詳細な草森サイトです。旧知の大竹昭子さんに草森写真に ついてのエッセイを依頼。彼女は90年代、自著のためカメラ雑誌の調査をしたことがあって、その時、草森紳一の写真評論に遭遇。「草森さんの写真の本を出して欲しい」と言っていました。忙殺のときで、それきりになりました。
草森サイトのために大竹さんが書いた連載のタイトルは「目玉の人 草森紳一と写真」。連載全8回を読むことができます。
2011年の夏、日本橋・茅場町にあった森岡書店で「本は崩れず 草森紳一写真展」を開催。元担当編集者・西口徹氏のご紹介でした。
会場はレトロなビルの一室。真っ白に塗られた壁に、L判サイズの草森写真を自由にペタペタ張っただけの写真展。
ある雑誌の編集長が、「え~~っ、いいのお?! 草森さんに叱られな~い?」と言われましたが、気取りのない、遊び心いっぱいの展示は、きっとご本人に気に入ってもらえるとみんなが思いました。
森岡さんらしいおしゃれなテイストに加え、矢崎泰久+南陀楼綾繁さんの楽しいトークイベントもあって大入り。
当時の様子を、ブログでぜひ見てください。
会期中、蔵書整理の中村健太郎さんから、ナント「草森さんの写真展、阿部嘉昭さん(評論家)が見られてますよ」とメールが届きました。即、原稿依頼!
中村さんを通して、展覧会評の執筆をご快諾いただき、ブログにアップできたのは、とてもありがたく、うれしいことでした。
その他、写真の話題はまだまだあると思うのですが、今日はここまで。慣れない入力作業は大変です。申し訳ありません。
台風が東京、東北を過ぎて北海道に向かっています。
皆さま、くれぐれもお気をつけてお過ごしください。
十勝での写真展のチラシもご紹介しておきます。お近くの方はぜひご覧ください!!
平山周吉とは?
出版界に突然現れた謎の人?
いえ実は、文藝春秋の数々の雑誌や単行本の編集長を務められた細井秀雄氏のこと。
草森紳一の『本が崩れる』や連載(副島種臣そえじまたねおみ 他)の担当編集者でもありました。
リタイア後、物書きになろうなんて思ってもいなかったと。しかし、『昭和天皇「よもの海」の謎』(新潮選書・2014)、『戦争画リターンズ 藤田嗣治とアッツ島の花々』(芸術新聞社・2015)、『江藤淳は甦る』(新潮社・2019)、『満州国グランドホテル』(芸術新聞社・2022)と、大著があふれるように次々と刊行されています。
映画好きで、ペンネームは小津の映画「東京物語」で笠智衆が演じた役から。
今は亡き坪内祐三さんが週刊文春の書評(『本が崩れる』中公文庫)で、解説の平山周吉とはすなわち細井秀雄であるとバラしてしまわれたのでした!
4冊目の『満州国グランドホテル』(芸術新聞社・2022)は、満州に出入りした人々をビィキィ・バウム原作の映画『グランドホテル』形式で活写したドキュメント。
映画になりそう! いや表紙の絵が「ガンダム」で有名な安彦良和氏ですからアニメ!ですね。毎日新聞の書評をご紹介します。
現在、話題作となっています。刊行から3ヵ月も経たずに重版がかかったと芸術新聞社からお聞きしました。
安倍氏死去以来、戦後の政財界の黒幕、岸信介や笹川良一の名前がネット上で飛び交っている昨今。もう一つの歴史を語る、とても興味深い対談になるはず!
◎平山周吉さん×安彦良和さん 8月10日(水) 19:30~21:00
『満洲国グランドホテル』(芸術新聞社)刊行記念オンラインイベント
◎イベント内容 『満洲国グランドホテル』の著者平山周吉さんと今回、カバーデザインを担当していただいた安彦良和さんのトークイベントを開催します。安彦良和さんはご存知の通り、アニメ「機動戦士ガンダム」のキャラクターデザインおよび作画監督。今年、「機動戦士ガンダム」は、新しい作品を発表し、公開3日間で興行収入3億円を記録しました。今回のトークイベントでは、安彦さんもご自身の作品「虹色のトロッキー」の中でも描いている「満洲国」について、平山さんと語ってもらいます。小・中・高校の歴史の教科書ではあまり触れられることがない「満洲国」を舞台したトークイベント。ぜひお聴き逃しなく!