前回に書いた西武劇場(現パルコ劇場)発行の「劇場」8号の顛末ですが、我が上司が悩んだ末、結局、原稿はそのまま掲載することになったのでした。
特集は「60年代の演劇」。唐十郎と寺山修司の初対談など、60年代の演劇の旗手たちがほとんど勢ぞろいした80ページ近いものになりました。
(特にこのお二人の対談は、今当時のカセットテープを聞いても、まさに真剣の言葉の刃が飛び交うすさまじい対談でした)
当時、劇場とパルコ出版の運営は別だったので、この特集号を単行本にできなかったのが今もって残念です。
パルコ批判の部分がどうなるのか? 執筆者は「伏せ字の劇場」と題した原稿を用意し、
他の演劇雑誌ともども西武劇場を討つべく手ぐすね引いて待っていたのだと、あとで知りました。
今の時代を見渡し、なぜかあの時代がなつかしい。
草森さんの原稿に「幻想の食事―ジャン・ジャック・ルソーとパルコ文化」(「流動」1979年12月号・『見立て狂い』所収)というパルコ論があります。
いまやネットによって“幻想の食事”が氾濫。栄養がつくのかしらん。やはり、行動せねばと思います。