その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。 このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。写真 草森紳一

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。 写真 草森紳一

円満字さんが、『舟を編む』の三浦しをんさんと対談です!

蔵書整理プロジェクトの中心になり、ご尽力下さった円満字二郎さんが10冊目の著書『漢字ときあかし辞典』(研究社)をお出しになりました。
2320字のそれぞれの漢字にピッタリの見出しがとても面白い! 分かりやすい! 楽しい! 
ユニークな試みの辞典で、著者の意気込みと心映えがひたひたと伝わります。

驚いたのは約700頁分の原稿執筆と組版を独力でほぼ2年でやり遂げられたこと。
しかも出版から3ヵ月で3刷り!
『政治家はなぜ「粛々」を好むのか』(新潮選書)の刊行からまだ5ヶ月しか経ちません。蔵書整理の仲間と、「さすが〜!」「すばらしい〜!」「すご〜い!」と言うばかり。

タイミング良く、『舟を編む』の三浦しをんさんとの対談(「週刊読書人」2012年7月6日号)が出ていましたのでご紹介。とてもいい対談です。
仲間たちも北海道の人たちも懐かしいことでしょう。ご紹介が遅くなってしまい、13日(金)には次号が出てしまうので、書店に急げ!です。すみません。

(対談の隣りのページに、椎根和氏の「銀座を変えた雑誌 HANAKO!」が載っています。草森さんの晩年に親交があり、帯広大谷短期大学で円満字さんに続き、草森さんについての講演をして下さった椎根さん。ご縁ですね)

思い出しますが、草森さんの蔵書整理(一部)がスタートした2008年6月。
円満字さんが友人(Living Yellowsさん)と一緒に倉庫に来られ、膨大な段ボール箱の山を眺めて「いつまでにやるのですか?」とおっしゃったことをよく憶えています。誰からも聞かれなかった質問なので。

そして、目録入力(二部)が始まったのは2008年9月の終わりごろ。毎週金・土の1時から5時までの作業。終了までの7ヵ月、円満字さんが休まれたことはなかったのではないでしょうか。
1時にはすでにスイッチオンで快調入力。その集中力と速さは語り草です。
もちろん、ボランティアは自由参加ですから、ゆっくり来る人もいます。 が、5時15分前になると、「さあ、もう、そろそろ……(終わりましょう)」と恐怖のお言葉が!!
のり始めた人も、あと数冊でこの箱の本は終了…でも旧漢字の本ばかりで入力に時間が〜〜!と焦る人にも容赦なく。今、思い出してもドキドキします。
その日の入力データは円満字さんのところで集約することになっていましたから。

日々精進は、本当に大きな成果を生みますね。
森プロジェクトの実現も、草森さんが亡くなる直前に円満字さんがフリーになられていたことが幸いしました。
草森マジックなのかどうか、やはり不思議な巡り合わせです。

ところで、まだ『舟を編む』を読んでいません。ベストセラーは読まなくていいって思うかわいくない性格で……。
でも、読まなければね。

崩れた本の山の中から 白玉楼中の人