その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。 このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。写真 草森紳一

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。 写真 草森紳一

気持ちが沈みがちな土曜日に

去年の3月、あれだけのことが起こった。そして今も問題は継続中だというのに、原発が再稼働されると言う。
最近ニュースを見るのがほとほといやだ。なるほど合点、ということがなく、わけがわからない。そして気持ちが沈む。
先週の韓国の歴史ドラマ『イ・サン』で、若い王が長老に慇懃に諭されるところがあった。
「王様、この世には二つの測りがございます。是非の測りと利害の測りでございます」。
つまり、正しいと思われることも性急に事を運ばず、混乱を避けつつ徐々に〜〜という知恵を授けつつ、
裏には王に対するたくらみを含んだ言葉なのだが。
それで思う。現在のこの国の判断は利害の測りだけではないのだろうか、と。
そして日々流される大量の映像ニュースの中で育つ子どもたちは、そこから何を学んでいくのだろうか……と。


気持ちがさえないので、エイヤッと今日は遠出。武蔵野美術大学で開かれている展覧会を見に行く。
一つは、草森さんの『イラストレーション』や回想集『草森紳一が、いた。』をデザインして下さった太田徹也氏の
「ダイアグラム教育 明日を予測する情報のカタチとデザイン」展。
もう一つは草森紳一の写真に興味を持って下さっている大日方欣一氏監修による
「大辻清司フォトアーカイブ 写真家と同時代芸術の軌跡1940−1980」展だ。
お二方の重い足跡を感じて、少しシャンとする。
国分寺からバスで20分の武蔵美は遠いけれど、霧のような雨のなかを歩いていると緑の樹々の香りに包まれた。
しかし同時に、放射能雨にさらされたままの地域の豊かな緑のことを思う。

憂鬱気分の問題解決の方向が、ちょっと違ってしまったかもしれない今日だったけれど、NOの意思表示は続けたい。


毎日通る小学校の植え込みの紫陽花。豪華ですね。白梅やすみれやヒヤシンスなど、いつも季節を告げてくれます。

崩れた本の山の中から 白玉楼中の人