前回の「心中いかばかりか〜」に付け加えるならば、
草森さんにとってアトムと寅さんの二つだけを採りあげて日本的壮大なるものを語るのはあまりにフツー、無理があったろう。
「それならやらないよ」とおっしゃったはずだ。
きっと四方田さんもあまり興味を持たれなかったに違いない。
詳しい経緯は知らないけれど、私自身もとてもがっかりした。対談は生もので難しい。
結局は、お二人の関心の方向と、体内時計と社会時計が違いすぎた。
本書を認めないと公言していた草森さんは怒るだろうが、どんな本なのか、ご紹介しておかねば。
2005年河出書房新社刊。表紙は、草森さんが好きだったタイガー立石の絵です。