草森紳一写真展のあとでご紹介しなければならないのは、もちろんこの一冊です。
副題に“コンパクトカメラの新冒険”とあり、1992年に話の特集から出版されました。全420ページの大著ですが、あてどなく歩くうちに目に飛び込んできたものを撮る、その草森紳一流の極意が、あてどない散歩のようにのびやかに語られていて、あっという間に読み終わります。
巻末のインタビューに「一枚の写真が記憶を刺激して、芋づる式にいろいろ出てくる。それが物書きとしての取材源になるだけでなく、目の鍛錬になる。そういう霊媒的な意味でも、かならずプリントをとるのは、重要なんだ。〜〜〜いわば透視力の訓練でありイメージの増殖装置でもある」と。
その結果が、250冊余のアルバムと、あの膨大な写真箱になったわけですね!
本書には、写真もたくさん掲載されていますが、252ページにあの猫を発見!
和田誠氏イラスト、『記憶のちぎれ雲』の扉ページでこちらをにらむ、あの猫です。編集の宮里さんによれば、和田さんが「紳ちゃんの撮った猫が印象に残っていてね」と描かれたとか。
目次など詳細は、HP「白玉楼中の人」の著作一覧をご覧ください。