その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。 このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。写真 草森紳一

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。 写真 草森紳一

草森紳一書き出し劇場5 『随筆 散歩で三歩』


草森紳一写真展のあとでご紹介しなければならないのは、もちろんこの一冊です。

副題に“コンパクトカメラの新冒険”とあり、1992年に話の特集から出版されました。全420ページの大著ですが、あてどなく歩くうちに目に飛び込んできたものを撮る、その草森紳一流の極意が、あてどない散歩のようにのびやかに語られていて、あっという間に読み終わります。

巻末のインタビューに「一枚の写真が記憶を刺激して、芋づる式にいろいろ出てくる。それが物書きとしての取材源になるだけでなく、目の鍛錬になる。そういう霊媒的な意味でも、かならずプリントをとるのは、重要なんだ。〜〜〜いわば透視力の訓練でありイメージの増殖装置でもある」と。
その結果が、250冊余のアルバムと、あの膨大な写真箱になったわけですね!

本書には、写真もたくさん掲載されていますが、252ページにあの猫を発見!
和田誠氏イラスト、『記憶のちぎれ雲』の扉ページでこちらをにらむ、あの猫です。編集の宮里さんによれば、和田さんが「紳ちゃんの撮った猫が印象に残っていてね」と描かれたとか。

目次など詳細は、HP「白玉楼中の人」の著作一覧をご覧ください。

(クリックすると画像が大きくなります)

崩れた本の山の中から 白玉楼中の人