9月17日の土曜日、『話の特集』の伝説的編集長、矢崎泰久氏の出版ライヴに行ってきました。(8月30日のブログにチラシをアップしています)
目白から線路沿いに7、8分。自由学園明日館までの細い道には、しゃれたレストランやリサイクルブティックがぽつぽつとあって、なにか懐かしい時間にタイムスリップしていく散歩道のようです。
明日館(みょうにちかんと読みます)はフランク・ロイド・ライト、講堂は弟子(遠藤信)の設計ですが、建物にゆったりと包み込まれる感覚は、久々のものでした。
主役の矢崎泰久氏は、今日はハットスタイルでとてもダンディ。
佐高信氏と中山千夏さんの、ゆる〜〜い「もう、始める〜〜?」の声でライヴスタート!
発起人挨拶で、会場に入ってこられたばかりの小沢昭一氏が、下から舞台を見上げ、
「で、今日は何? “あの人がいた”出版記念?? (表紙を覗き見て)いやだいやだ、会いたくもない奴らだ。……どーして、僕がいないの??」 会場は大爆笑。
永六輔さんと小沢昭一さんのお二人は、存在そのものが怪物化していて(ガラパゴスの鶴亀コンビのよう)、貴重なものを見れた!(失礼)という印象。
それから、李政美さんの「アリラン」「京成線」と情ある歌とのびやかな太鼓。松元ヒロさんは、毒のある時事テーマを一人漫才というか、落語というか、パントマイムというか、全身を使って動きしゃべりのめす、TVでは絶対に見られない絶品の芸。鎌田慧氏は「9月19日脱原発5万人デモ」参加への呼びかけと、硬軟取り混ぜてのイベント。
会場は満席で、社民党の福島瑞穂氏、田原総一郎氏、元沖縄県知事の太田昌秀氏ほか、1965年世界の数学者と共にベトナム問題懇親会を結成した市民運動の闘士、間もなく91歳を迎えるという福富節男氏の姿も。
矢崎氏の生前葬ということでもあったのですが、まだまだ何か起こしそうな78歳。
抱腹絶倒に加え、温かい雰囲気のあふれた会で、いまだ消えない反逆精神を抱えた参加者の人生に思いをはせた3時間でした。
デジカメを忘れたのが残念! ライヴの様子をちょっとリンクさせていただきましょう。文化人のおもちゃ箱http://suserin.exblog.jp/16302606/
『あの人がいた』(街から舎刊・1600円税別)は書店でお求めいただけます。
写真展のトークで矢崎さんが、『草森紳一が、いた。』からもらったタイトルとおっしゃっていましたっけ。