阪神淡路大震災が起こったときのこと。17年前のことになる。
NHKの特番だったと思う。
スタジオに立ったキャスタ―にカメラが近づき、彼が言葉を発しようとした瞬間、
涙がはらっと、こぼれ落ちたのだった。
その人は、番組終了後、叱責されたのだろうか。
私は、その一瞬を忘れることができない。
東日本大震災では、
いつもTVの前に張り付いているわけではもちろんないからだけど、
そんな場面は見ていない。
あまりに被害が甚大過ぎて、報道側も把握するのが精一杯だったろう。
しかし1年が経って、さまざまなことが露わになって来て、
政治家に、被災者に、その他多くの人々に向き合う報道者の表情や声は、
はからずもその人の人格や思いをうつし出している。
怒りを抑制したインタビューを見つつ、もっと怒れ!と心の中で思う。
ニュースを伝える声や表情も、ニュースだ。政治家や専門家と言われる人の眼も。
信頼できる人の言葉を聞き続けたいと思う。
そして私は私自身に、怒りを忘れず、怒りの前向きな使い道を問い続けたいと思う。