その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。 このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。写真 草森紳一

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。 写真 草森紳一

好奇心の森 ダーウィンルームで

下北沢の南口から商店街をまっすぐ歩いて約5〜6分。
右手の餃子やさんを越えて、六叉路のところにある「YOUKAEN ユー花園」という花屋さんのまん前に、不思議なお店「ダーウィンルーム」があります。
もしかしたらテレビの「王様のブランチ」でご覧になった方があるかもしれません。


シマウマやペリカン、鳥たちのはく製、色さまざまな昆虫の標本、世界中の貝殻、アンモナイト等の化石類……
人間の手ではなく、地球が(神さまが?)創造したモノたちを並べた小さなショップを訪れた時、「まるでドリトル先生の部屋みたい!」と思いました。
標本だけではなく、選び抜いた文具や、博物学の本、写真集、古本もあるのです。

そんなお店に、『草森紳一が、いた。』を置いていただけることになりました。
マガジンハウスの元編集長、椎根和さんのご紹介です。


草森さんは北海道の実家に帰るときも、旅をするときも、いつも捕虫網を離しませんでした。
スリランカ・蝶の旅」について書いたエッセイを筆頭に掲載した『旅嫌い』(1982年・マルジュ社)は、手に手に網を持って蝶を探す、「少年を生きる」男たちの後ろ姿の写真を表紙に使っています。

そういえば草森さんはセミの抜け殻も「きれいだろ。宝石と同じだよ」と言って大事にしていました。
また、内藤忠行さんとライアル・ワトソンを囲む写真展のアトラクションで私が獲得したダチョウの卵も、弧の形が美しいし、原稿を書いて火照った手を冷やすのにちょうどいいからと持って行かれてしまったのでした。

草森さんがお元気なら、お気に入りの店になること間違いなし!
カフェでは、パプアニューギニア産のコーヒーとバナナパウンドケーキも楽しめるのですから。(東海晴美)

崩れた本の山の中から 白玉楼中の人