その先は永代橋 草森紳一をめぐるあれこれ

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。 このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。写真 草森紳一

「もの書き」草森紳一の蔵書約3万冊は、2009年11月故郷の帯広大谷短期大学に寄贈されました。このブログでは、以後の草森紳一関連ニュースをお伝えしていきます。 写真 草森紳一

草森紳一の映画の本が

 草森さんの映画の本が出そうで、まだ出ません。昨年末か今年初めに出版と聞いていましたので確実な話なのですが。まあ、楽しみに待つことにしましょう。

 草森紳一は大学を卒業した後、映画監督になりたくて東映を受けたことをいろんなところで語っています。なぜ試験に落ちたのか。
最終の面接で大川社長に何をやりたいかと聞かれ、「脚本、監督、編集、全部」と答えたらそんなに一人でできるものかと怒られ、落ちてしまったと聞きました。回想集『草森紳一が、いた。』では、大川社長から長所と短所を聞かれ「長所はしばしば短所でもある」と答えて怒らせてしまったと、慶應の同級生が書いておられます。
 『三国志』を中国で映画化したいという壮大な夢があったようですが、もし本当に監督になっていたら、ヌーベルバーグ風のふしぎな映画を撮ったような気がします…
 中学校時代から映画雑誌の投稿少年でもあったので、当時の原稿が映画の本に掲載されたらうれしいですね。

  下は、PR誌『YANASE LIFE』(1988年春夏号)の「モノクローム映画の魅力」より。写真8点の題名がすぐ出てくれば、かなりの映画通、いや、年齢のせい?


 左から『武蔵野夫人』(溝口健二監督・東宝)、『ならず者』(ハワード・ヒューズ監督)、『荒野の決闘』(ジョン・フォード監督)、『二十四の瞳』(木下恵介監督・松竹)、『大菩薩峠』(内田吐夢監督・東映)、『地上より永遠に』(フレッド・ジンネマン監督)、『わが青春に悔いなし』(黒澤明監督・東宝)、『第三の男』(キャロル・リード監督)

 このPR誌は私の仕事でしたので、写真は川喜多記念映画文化財団や各映画会社を走り回って集めました。東宝の現像所で焼いていただいたプリントの美しさは忘れられません。『大菩薩峠』の写真は、銀座の映画館の倉庫で見つけましたが、古いスチール写真を張ったスクラップブックが乱雑に転がっていて、埃をはたいてページを開くとモノクロ写真の時代劇の役者のたたずまいにハッとさせられ、映像データベースを作って欲しい! なんとか本にできないか!と思ったものです。

 (こんなブログを見つけました。「高橋俊夫の映画アットランダム 草森紳一ふたたび」 その直後、「草森紳一写真展」で偶然高崎さんにお会いできて不思議、幸運でした。)
 

崩れた本の山の中から 白玉楼中の人