8日付けブログでお伝えした大倉舜二氏の『JAZZ NOTE』(芸術新聞社)が、2月15日に出版されました。
お〜〜なんという黒人たちのカッコよさ! 臨場感あふれる構成、装丁も印刷もすばらしく、久しぶりのインクの臭いにうれしくなりました。
表紙のマットインクの墨が効いていて、シックでクール。ミゲール・コバルビアスの黒人ミュージシャンのイラストを思い出しましたが、魂(ソウル)があるのでしょう。
本屋さんだけでなく、セレクトショップにも似合いそう。置いてほしいですね。
大倉さんは「ジャズの神さまは50〜60年代にいた。80年代以後はうまいけれど、神さまはいないんだ」とおっしゃっていましたが、
登場するのは、アート・ブレーキ―、ルイ・アームストロング、アート・ペッパー、マイルス・ディビス、エラ・フィッツジェラルド、ヘレン・メリル、マックス・ローチ、オーネット・ コールマン、ロン・カーター、キース・ジャレット、MJQなどなど1961年から90年にかけて来日した100余人です。
草森紳一「ファンキーショット!」(初出『アサヒグラフ』1990年4月号)から引用された帯の文章を、紹介しておきます。
―――大倉舜二のジャズ写真には、初期のころから一貫して変わらないものがある。太古の静寂のようなものだ。
それは、群千のジャズ写真とはっきり垣根をへだてるものである。基本的に「きまり」や「さわり」を彼は撮らない。
撮っても、すこしはずれたところで、「じわっ」としのびよるように体感的にとらえる。「きまり」は一見、動的だが、
本来、静の裏打ちがあり、ほんのわずかにはずれたところを抑えると、その静が露れる。モダン・ジャズのスリルも、
ブルースの本質もここにある。それは「間」といってもいいが、今のはやり言葉では「気」といってよい。―――